ひとり言バックナンバー No.22

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7月27日 イミテーション時計 其の2(No.384)
東南アジアや中国、香港等の観光地などに行きますと、露店や道端で「ロレックス、ロレックス安いよ!」と声を掛けてイミテーションの時計を売っている光景を目にすることがあります。これらで販売されている品は前回お話しした一度壊れたら修理が難しいタイプのものが殆どです。しかし、その地区で顔がきく人達の紹介できちんとしたショップ或いはアジトとでも言った方がよいかも知れませんが、ビルの中の一室で室内に入ると中から鍵をかけてからの商談もあります。
こらは、世界中の一流品全てのAクラスのイミテーション取扱店とでも言って決して過言ではない品揃えです。
本職でも見分けがつきにくいほど良く出来ている品物ばかりです。
路上で販売されている品より価格も3倍くらいしています。
カタログは世界中で通用している時計ブランド年鑑を使用してまして、そのカタログに載っている有名品、人気品は全て揃っているのには驚くばかりです。ついつい何か一つ求めてみたくなります。
パテック、ヴァシュロン、カルティエなどが市場価格の100分の一から50分の一くらいですから、つい手が伸びるのは無理もないですね。
私のところにもこられの店で求めた品が修理に来てますが、本当に良く出来ています。ただただ感心するばかりです。
自動車や家電製品でも同じようなことになっているようです。
これからどうなっていくのでしょうか心配です。


7月20日 イミテーション時計にもいろいろ(No.383)
ネット上では特に多く見られますが、高級ブランドのコピー商品が市場を賑やかにしているようです。
私のパソコンには連日のようにコピー時計の売り込みメールが入ってきます。 また、これらを購入した方からの修理依頼もあります。
コピー商品には同じブランドでもいろいろなランクがある様です。
ひと目見ただけでは私たちでも本物と見分けがつかないものがあります。それは外装が本物でムーブメントだけ他のメーカーのものに取り替えたものがあります。
外したムーブメントはバラバラにして部品として販売されることもあるようです。
コピー商品の中にはスイス製の標準型のムーブメントを組み込んだものと、スイス製のムーブメントのコピーを組み込んだものがあります。同じコピー商品でもスイス製のメーカー品が組み込んであれば修理も可能ですが、コピームーブメントが組み込まれたものは全くお手上げです。
メーカーのサービス窓口で断られたものを持ち込んで来られるお客様がいらっしゃいますが、現在では私達もお断りしております。
今までは仏心でお気の毒と思いお預かりしていましたが、結果として自分の首を絞めることになってしまいます。
海外旅行やネットでイミテーションコピー商品と解っていながらお求めになることは自由かも知れませんが、その時だけのお楽しみと思って修理しながら使い続けることはお考えにならないことです。
止まってしまったらコレクションの一つに加えることをお薦めいたします。


7月12日 時計の使い捨て(No.382)
最近駅前や路上に傘のポイ捨てが多く、社会問題になっていますね。100円〜500円くらいで立派な物が手に入る時代です。
でも骨が折れたくらいでポイ捨てしてしまうのですね。
時計の世界にもそんなことがあります。 現在時計は価格が二極化して高級品と低価格品とにはっきりと分かれてしまいましたね。
通信販売のチラシなどを見ますと、1万円以下の時計が連日の様に紙面を飾ってます。何回も同じことを申し上げているようですが、これらの時計は一度トラブルが起きると修理代の方がはるかに高価になりますので、そのまま捨ててしまう人が多いようです。
その中で最も困る事は、それらの修理品を持ち込んで来て、修理上がりを受け取りに来ない人が多いのです。
修理代金が未回収になる事と同じです。年間で何十万円にもなってます。
話は変わりますが、製造してから何十年も経っている時計に当時の精度を要求して来る方がいらっしゃるのです。
機械時計は先日も述べましたが、時間が正確である為の要素は何十項目もあるのです。
経年劣化が見られる機械時計で、きちんとメンテナンスが行われていなかったものは、なお更の事、精度については約30%くらいはダウンしてしまいます。
それにもかかわらず、今までは良く時間が合っていたから昔の精度に戻して欲しいと言ってくる方が多いのです。
私たちも決して手抜きの仕事をしている訳ではなく、老骨に鞭を打って、一生懸命仕事をしています。
もう少し暖かい目で見て頂きたいと思います。


7月6日 トレードマークのこと(No.381)
ホームページのヒットカウンターが25万人目の方は、何方だったのでしょう。今回は珍しくご連絡がありませんでした。残念です。
さて、セイコー舎のトレードマークはマル、カク、エスと言いまして、丸の中に角を、12時、3時、6時、9時に合わせた角(正方形)が書いてあります。そしてその中にSの字が記されたものが登録商標として使われてます。柱時計や置き時計には必ずこのマークが入ってます。これは、柱時計のカギ巻きの穴を形どってます。丸い穴の中にゼンマイを巻く為の四角の心棒が見えますがこれをイメージしたものです。更に中心にSEIKOのS字を入れたわけです。
時計屋の仲間内でもマル、カク、エスと言ってますが、本来のルーツを考えてみると面白いものですね。
私のところのホンマウオッチラボラトリも株式会社セイコーサービスも全ての12文字から成り立ってますので、時計の文字盤の数字のところに当てはめてトレードマークにしています。また、手作りの文字時計も我が家の壁に掛かってます。


6月29日 ワールドムック“ダイバーズウオッチ”発売(No.380)
時計関係の専門雑誌を発行しているワールドフォトプレス社から、‘ダイバーズウオッチ’(防水の力)が発売になりました。
これから夏にかけて水に親しむことが多くなって来ますので、それに合わせて作られたものです。
320頁にわたる世界中の防水時計のあらゆる種類を網羅してます。ご一読をお薦めします。(\2,667)
末巻に小生もちょっぴり昔話をかいていますのでご覧になって下さい。
皆さんの中にもダイバーズウオッチをお使いの方が大勢いらっしゃる事と存じますが、ロレックスに於いてしかり、他のゴツゴツした作りの防水時計は普段使用してますと、シャツの袖口を傷めます。
半袖になってからのご使用をお薦めいたします。
また、完全防水といいましても、メーカーから出荷されてから一定の期間のみ保証されている訳ですから、保証書に記載されている期日が過ぎたときは、速やかにサービスに出して、再チェックをして下さい。保証期間についてはメーカーでは厳しく取扱っていますので、注意したいものです。
なお、指定サービス機関以外でのサービスも保証の対象外となりますので心しておきましょう。
ひとり言のヒットカウンターが間もなく25万になります。25万ジャストの方にささやかですが、記念品を差し上げますのでページのコピーと共にご連絡下さい。


6月14日 機械式時計にこだわる(No.379)
毎日大勢の方からお預かりしている時計の修理をしていますが、機械時計に想いを寄せている方が後をたたないでいる事がよく解ります。
機械時計が発明されてから200年近く経っているわけです。そして世界中の時計技術者が研究している事は、機械時計の誤差を如何に0に近づけるかという事だと思います。
現在では、電波によって自動修正されて何時でも正確な標準時を示しているクオーツ式時計が多くの人に愛用されています。
私の友人、知人でも殆どの人がこれを使用してますが、必ずと言って良いくらい機械時計を他にいくつか持っていて、代わりがわりに使用しているようです。
電波修正のクオーツは何時でも時間がぴったり合っていて、面白みがが無いと言っています。
人間だってあまりにもきちんとした人は、付き合っていても人間味が感じられなくてつまらなく感じるものです。
少しは機械時計みたいに進んだり遅れたりする人の方が付き合っていて面白いのではないでしょうか。
何百万もする機械時計でも日差はクオーツ時計にはかないません。機械時計を正確に動かすためには、百項目くらいになる調整・加工が必要になりますが、クオーツ式は振動数の調整と湿度変化に対応するくらいでクリアできるのです。


6月14日 漆芸コレクション(No.378)
セイコークレドールウオッチで5,250万円の時計が発売になりました。1ヶの価格です。
マンションより高価な時計は金龍福氏(韓国出身の漆芸家)との共同開発によって、伝統工芸と時計師の匠の技を融合させた漆芸
コレクションです。
「クレドールジュリ典雅」1機種で税込みの価格です。
その他、クレドール、ノード2機種367万5千円と1,260万円が間もなく発売です。
「クレドール典雅」は平泉中尊寺金色堂をデザインモチーフに蒔絵や螺鈿細工など漆工芸を巧みに施して荘厳の美を表現しています。
その他、セイコークロックからは高級からくり時計が発売になりました。最高級ブランド「デコールセイコー」から、メリーゴーランドをイメージした高級からくり時計です。値段は525万円です。
それでは一つと言う訳にもいきませんので、銀座の和光にでも出掛けて目の保養でもしてみましょう。
機械時計が再び見直されてきた昨今ですが、有名メーカーから発売になる新製品はブルガリが2千万円、ルイヴィトン240万円、パテック1,100万円、カルティエ190万〜1,900万円、ジャガールクルトが120万〜280万円、IWCが100万〜200万円、フランクミュラー630万円などなどです。
これらの時計を見に着けていらしゃる方は着るものも行く先も乗り物もみんな高級品になるのでしょうね。
私とは全く別の世界の話です。


6月7日 耐用年数(No.377)
家電製品に関しては明確な耐用年数が決められていないのが現状です。
時計も全く同じですね。新しく購入した時に説明書を見ても耐用年数の記述は全くありません。
心ある人でしたら、3〜5年毎にきちんと手入れ(オーバーホール)をしていらっしゃることと思いますが、説明書を見ただけでは手入れ
の時期について何の指示もなく、1〜3年の保証期間についてだけ記述してあることが多いようです。
自分で使用している時計ですと毎日見ているわけですから、一日に何秒くらい差が出ているかは認識しています。
これがある日平均以上に差が出てくることがありますが、この事が時計から送られてくる注意信号でメンテナンスの時期を教えている
訳です。
クオーツ時計ですと電池の寿命が終わりに近づくと数秒飛ばして運針することにより、間もなく電池が切れる事を知らせる機能が付いているものもありますが、機械式の場合は日差に狂いが出るか、止まってしまうなどが危険信号になる訳です。
そんな時、無理して振り回したりゼンマイを巻いたりして使い続けると、軸受や芯に磨耗が出て修理代が嵩む事になります。
注意したいことです。


5月31日 修理代が値上がりしてます(No.376)
諸物価が値上がりしてますね。時計業界でも同じ様なことがおきています。
特に外国製品に関してですが、修理に必要な部品が値上がりしているのです。
輸入時計のブランド品をお使いの方が多いと思いますが、これからのメンテナンスには今までより更なる予算を上乗せしませんと
いけなくなるでしょう。 部品の種類にもよりますが、7〜10倍も値上がりしているものがあるのです。
ブランド品をお使いの方は、出来ることでしたらそれぞれのメーカーの指定サービス店でメンテナンスを請けることをお薦めします。
最近は街の時計店でも、ブランド品をお客様からお預かりすると、指定サービス店に送って取扱い手数料を頂くケースが多くなりましたが、有名ブランド品の中には、時計店の扱いでも一般のお客様と同じ扱いになって、手数料を支払わないところが多くなってきました。
そのため、ブランド名によっては街の時計店では断るところが出てきました。
これは時計に限ったことでは無く、自動車、電化製品、カメラなどにも同じような傾向が見られるようになりました。


5月24日 欲しい時計の名称について(No.375)
“時計はセイコー”これは日本人なら誰でも知っている時計の名称ですね。 他に日本のメーカーではシチズンやカシオがあります。
最近クレドールがセイコーから離れて単独会社になりました。
ウオルサム、エルジン、ハミルトン、ハワードなどはアメリカ製の時計として一世を風靡していましたが、現在は全てスイスに移ってしまいました。
時計に興味をお持ちの方は、一体いくつ位の時計名を覚えていらっしゃるのでしょうね。
昔の小説の中に良く出てくる時計は、殆ど懐中時計で、ウオルサムの金時計、ナルダンやロンジンが多かったようです。
これらの時計を内ポケットにいれておく事が一つのステータスであったのです。
しかし、本当のお金持ちは別なブランドを持ってました。
パテック、ヴァシュロン、ブランパン、ブレゲ、オーデマピケなどです。
ロレックスが出てこないではないかとおっしゃる方がいらっしゃると思います。
ロレックスは1905年創業ですが、一般に知られているデイトジャストの防水時計が製造されたのは1945年からです。
終戦後のアメリカ駐留軍の兵士が腕に着けて日本に持ち込んできてから一般の人が知ることになりました。
現在では世界的に知名度の高い時計になってきました。
時計好きの方に申し上げますが、お小遣いが許せるのであればパテックやヴァシュロン、ブランパン、ブレゲ、オーデマピケの一つ位は身に着けたいものでお薦めいたします。


5月17日 民放コマーシャル第一号(No.374)
昭和28年(1958年)の8月28日午前11時30分に日本テレビが放送を開始しました。当時の総理大臣は吉田茂首相で、大勢の偉いさんが出席しての開局祝い番組が放映された後に、正午の民放コマーシャルとしては第一号にあたる、セイコー舎の午後の時報が放送されたのです。
担当者が不慣れのために、CMフィルムが裏返しにかけられたなどのエピソードがあったと聞いています。
ラジオの時報に引き続きテレビ放送の時報にはセイコーが先鞭をつけたわけです。
その頃には時計の歌というのがありましてた。大きな古時計とは一寸違いますので歌詞を記してみます。
どうして流行らなかったのか不思議です。

@街角にそびえ立つ時計台の大時計
 山里のひとつ家の片すみのかけ時計
 同じように同じ歌 声合わせ歌ってる
 あの時計この時計 精工舎のかけ時計

A美しいあおの腕のひそやかなささやきに
 健やかなこの腕が狂い無く答えてる
 今度会うそのときは、いつの日かチクタクと
 あの時計この時計 精工舎の腕時計

B流れ行く時のかげ 夢のあとも懐かしく
 今日もまた楽しい日 カチカチと心地よく
 よろこびのあのリズム 胸深くきざんでる
 あの時計この時計 精工舎の置き時計 

(SEIKO時計の戦後史より)


5月11日 クオーツ式は何故正確か?(No.373)
クオーツ式の時計は正確に時を刻みます。この事は多くの人に認識されています。何百万円もする機械式時計より\3,000のクオーツ時計の方がはるかに良く合います。
最近は機械式時計に人気が集まっていますので使用する方も増えていますし、市場でも機械式時計が良く売れています。
私もメカ式時計を常に使っていますが、鞄の中にクオーツを1ヶ必ず入れて持ってます。
仕事が時計屋ですから常に秒単位で正確な時刻を知っている必要があるからです。
修理した時計をお渡しする時もきちんと現在時刻に合わせてお渡ししなければいけません。
メカ時計ですと秒針を正確に読み取る事が出来ませんので、クオーツ時計で更に電波修正式に頼っている訳です。
クオーツ時計が正確に時を刻んで行くためには、クオーツの正確な振動力が基礎になっています。
現在時刻に使用されているクオーツいわゆる水晶は全て人工的に作られています。
結晶した水晶は中心の軸に対して一定の角度でカットして極く薄い板にします。このカットする角度で振動数が決定してしまうのです。
使用目的に応じて何度でカットするかが物理的に証明されていますので、医療機器や無線機器などそれぞれに決められた角度でカットした水晶が使われているのです。
開発された当時はウィンナーソーセージ位の大きさでしたが、現在では爪楊枝の頭より小さくなりました。


5月3日 高貴高齢者(其の二) (No.372)
私も高貴高齢者ですので、自分の現在の手仕事である時計修理が何時まで続けられるかが心配です。
眼の衰え、手の震えなどが原因で仕事ができなくなっている同業者が大勢いるのです。
現にセイコー舎時代の組み立て工場で同じ仕事をしていた人達で、私と同じ修理業に携わっている友達は2人になってしまいました。
100人も居た人達が私の他にたった2人です...淋しくなりました。
仕事では100倍の顕微鏡を使用することもありますので、手先が1ミリ震えると10センチ動くことになる訳ですから、仕事に手の震えは厳禁です。 また、時計の部品も指先で一寸押さえただけで100ヶも付いてくるほど小さなものがありますので、眼も大事です。
もちろん作業の時は虫メガネ(業界ではキズミ)を使用してますが、倍率は1.5〜3倍くらいのものです。
キズミの効用は、物を大きく見るためだけではなく、近くで見るということがあるのです。
ですから、時計の組み立て作業は高い机で眼の近くで仕事が出来るようになってます。
昔の時計屋さんは、低い机で前かがみになって仕事をする人が多かった様ですが、メーカー出身の技術者は前かがみの仕事はしていません。
よくTVや雑誌で街の時計屋さんが紹介されることがありますが、その姿を見ると良く解ります。
万人に平等に与えられている「時」に関わる仕事には、今でも誇りを持って、高貴高齢者ですが日進月歩の技術向上に日夜勤しでいる今日この頃です。


4月26日 コウキコウレイシャ(No.371)
最近話題になっている極めて評判の悪い言いまわしに、後期高齢者と言う言葉があります。
先日ワープロで打ち出してみてヒックリしました。
「高貴高齢者」と出ました。これならいいですね。
私も仲間入りしているわけですから、これから高貴高齢者と言うことにします。
これならプライドもありますし、ひと前でみじめな思いをしなくて済むと思います。
ワープロに感謝することにしました。

まだ店頭にあると思いますが、4月22日発売のサンデー毎日が目に止まりましたら是非ご覧になってみて下さい。
(セザンヌが表紙になってましてGW合併号です)
175Pに私のことがちょっぴり紹介されてます。
ネットオークションで時計を求める方が多くなってますので、その辺の注意点を一寸お話ししてます。
何かのお役に立つかと思います。


4月20日 街から時計店がなくなっていく(No.370)
私が利用している最寄り駅はJR中央線高円寺駅です。ここに住み着いてかれこれ半世紀以上経ちます。
昭和20年代には駅前商店街には時計店が沢山ありました。高円寺北口商店街には私の家に来るまで6軒の時計店がありましたが、現在ではたったの1軒になってしまいました。
私のところに修理をお持ちになる方の殆どの方は、一度は他店に持ち込まれて断られたかたが多いです。
あるいわ長年世話になっていた時計店が閉店して困っていたまたは、時計店の主が亡くなって息子の代になったが修理はできないので断られてしまったとの事である。
その他最も多いのは一流の百貨店の時計部に相談したところ、部品が無いので修理不可といって断られたという事です。しかし、部品が無いと言って断られた修理品で本当に部品交換が必要な事は意外と少ないのである。修理ができないので部品が無いと言う名目で断っているとしか考えられない。
最もメーカー系の修理サービス窓口では、一寸でも磨耗している部品はどんどん交換する修理をしているから、本当に交換部品が無くて断ることもあるかも知れない。しかし、一般の私たちが請ける修理はできるだけ部品交換をしないでオーバーホールを基本とした修理であるので、作業が可能であれば断る理由は全く無い。
そんなことで連日大忙しが続いています。


4月12日 いわて機械時計士技能評価(No.369)
岩手県雫石にセイコー舎の盛岡工場があります。その中に、いわて機械時計士技能評価運営委員会という組織がありますが、毎年 行っている技能評価試験の受付が始まりました。(4月1日〜5月16日まで)
マイスター、一級、二級に別れていてそれぞれ学科と実技の試験があります。
最近は時計士になろうと志している方と、趣味で資格を取りたいという人も加わり大人気です。
詳しくは こちらをご覧下さい。

今回の技能試験で分解、点検する時計は
マススター=NC77 クロノグラフカレンダー(7時間)
一級=6R15 自動巻き三針カレンダー(5時間)
二級=Y675 自動巻き三針カレンダー(2時間30分)

それぞれ実技面接試験で課題の中で回答した故障診断を基に首席検定委員、検定委員、面接委員に対して個別に説明及び、質疑応答を行う試験です。


4月5日 頭の中が真っ白になった話(No.368)
先日、防水ケースの高級時計を修理しました。
しかし、40年も使用してますので、ケースに経年劣化があり、その件について詳しく説明をして完成品をお送りしました。
すると翌日電話が来まして、時計の修理が出来上がったので、早速腕に着けてシャワーを浴びたら風防ガラスが曇ったよと言ってきました。これには驚きました。
わざわざシャワーを浴びる時に時計を着けたとのことです。
防水時計であってもシャワーを浴びる時やお風呂に入る時は、腕から外すという事くらいやらなかったのでしょうか。
濡れた体を拭く時は時計を外すと考えられますが、わざわざ腕に着けて入浴することはないと思います。
50年以上時計業に関わっておりますが、修理上がりの品をその日のうちに腕に着けてシャワーを浴びたという話は初めてで、頭の中が真っ白になりました。
皆様の中にも防水時計をお使いの方が大勢いらっしゃる事と存じますが、皆さんそうなのでしょうか?
今後その方達にお逢いした時にどうされているかお伺いするつもりです。
ご意見のおありな方はメールを下さい。皆様のご意見をお伺いしたいと思います。

240,000ヒットをゲットされた方は大阪にお住まいのSさんでした。
3月30日 防水時計(No.367)
 「アッお客様、時計着けたままですよ!!」これは戦後間もなくの風呂屋(銭湯)の番台からの掛け声でした。その頃は、防水時計などというしゃれた時計が なかった頃のことですから、その声を聞いて、周りにいた人達もびっくりしました。しかし、その本人は、さも自慢気に「このまま風呂に入れるんだよ!!」と 返事をしていました。周りの人は、更にびっくりして、みんなでその時計を覗きに寄り集まったものでした。多分駐留軍のアメリカ兵士が持ち込んで売り払った ものと思われますが、ウオルサムかエルジンの軍用防水時計であったかと記憶してます。防水時計だからといって、わざわざ風呂に入る時まで着ける必要はない かと思いますが、田舎の風呂屋で、当時は脱いだ服まで盗まれる時代でしたから、用心したのでしょうね。もちろん時計を着けて風呂に行く事すら誰もして いなかった時代の話で、ロッカーなどなく、みだれ籠に服を入れていたものです。1950年代に入る頃から防水時計が一般に普及してきましたので、 ロレックスやエルジン、ブロバ、ホイヤー、他、ブロードアローの軍用時計等が市場に出回って来ました。しかし国産品に関しては、まだ完全防水時計は 完成されていませんでしたので、やや輸入品に対して遅れをとっていたようです。
 ヒットカウンタ 240,000番 の方に記念品を差し上げます。画面をコピーして、住所・氏名を記入してお送り下さい。
3月22日 時計の事ならなんでも解る(No.366)
 ワールドフォトプレス社から「時と時計の雑学事典」という本が発売になりました。\2,286.-です。織田一朗さんの著です。この本は是非手元に一冊置いて おきたい一つです。時や時計に関わること、すべてと言って良いくらい、細やかに解説しています。にわかに時計博士になれますので、おすすめです。時間の中に、 「プランク時間」という時間がある事も知りました。最も短い時間の単位で、10-43秒ということです。でもこんな時間の連続で毎日があるのだということも 解りました。
 話は変わりますが、3月というと、1945年3月の東京大空襲を想い出します。私は田舎に疎開していましたが、アメリカ軍のB29が東京を襲って、沢山の 焼夷弾を落しました。田舎から東京方面を見ると、空が真紅で、夕焼空の様に見えたのです。私はその時から、夕焼空が嫌いになりました。もう何十年も前の事 ですが、他人がきれいな夕焼だね!!と言っても、私は東京大空襲の空を想い出して、今でもぞっとしてしまいます。まだまだ私の頭の中には、中学2年生の時の、 東京の空が真紅になっていた事が瞳に焼きついています。
3月15日 記憶力について(No.365)
 車椅子の男の人は、相手を傷つけて更に詐称して逃げたわけですから、傷害罪になるわけです。警察でもさすがに放ってはおけず、受け付けてくれました。次回 犯人を見つけたら110番することで、決着がつきました。怪我を負った本人は、いまだに医者通いをしてます。相談した弁護士さんは、通り魔にあったと思って、 あきらめろ!!と言ってました。ひどい事になったものです。
 話は変わります。時計の修理をお預りしてますお客様から、時々、まだ出来ませんか!?というお電話を頂きます。お名前だけ伺ったのでは、すぐ御返事が 出来ませんので、お品物はなんでございましたかと必ず聞く事にしてます。すると、おおかたの御返事は、「時計なんですけど」という返事です。そんな事は 解ってますと言いたいところですが、たまに、うちは時計屋ですがと言いたくなります。もう少しはっきり答えて欲しいと思います。又、修理時計をお預りする時、 預り証に、氏名、住所、電話番号を記入して頂くのですが、殆どの方が電話番号を記入する時に携帯をパタリと開いて見てます。自分の番号は、はっきり覚えて いないのでしょうか。覚える事があまりにも沢山あって、電話番号まで及ばないのでしょうか? いつも不思議に思ってます。
3月8日 電動車椅子の人はずるい人でした(No.364)
 電動車椅子の事故で、頭の中がこんがらかっています。そんなところに、又事件です。電動車椅子の男の人が、でたらめの住所と氏名をメモに残していった事が 判明しました。私はこういう者ですと、自分ではっきり書いてくれたメモが、すべてインチキであった事が解ったのです。いくら歩行者同士の事故であっても、 相手に怪我を負わせて逃げたことになったわけです。完全に傷害事件ではないかと思いますので、もう一度警察に連絡してみたいと思います。ひとり言をご覧に なられた方、何か良いお考えでもお持ちでしたら、メールを頂きたいと思います。こんな事あって良いものなのでしょうか? そんなこんなで、今のところ寝不足が 続いています。今日にでも弁護士と相談して、警察に行くつもりです。どんな結果になるか、又お知らせいたします。
3月1日 知ってびっくり(No.363)
 逃げる2月といいますが、もう3月に入ってしまいましたね。1年の1/6が過ぎたことになります。時が過ぎるのも、歳をとるのも、早いものですね。
 昨日の事ですが、私の会社の者が郵便局に行き、局を出たところで、電動車椅子の暴走に突っ込まれて、全治2ヶ月の怪我を負わされました。当然の事で、 近くの整形外科に行き手当をしたわけですが、看護婦さんが警察に電話をしてくれました。ところが、警察の返事にびっくりしました。車椅子は、手動でも 電動でも、歩行者扱いなので、交通事故として取扱うことはできないということです。お互いに話し合って解決して欲しいという事です。保険金の請求に、 事故証明が不要ということでしょうか? 納得がいきません。健康保険が適用されなければ、何万円という出費になってしまいます。一方的にぶつけられて 怪我をしたのですから、車椅子の方に治療費を請求するべきと思いますが、今後の成り行きを見守って行きたいと思います。皆さんも、是非車椅子には、 くれぐれも御注意下さい。
2月23日 修理相談の時計(No.362)
 時計博で大勢の方が相談にお見えになりました。修理にお持ちになった時計に、今までとちょっと違った傾向がみられました。昨年までは、家に長いこと しまってあったもの、子供の頃の想い出の品、中学・高校入学祝いに親から買ってもらったもの、就職時自分で初月給で買ったもの、結婚時嫁さんからもらった もの等々が圧倒的に多かったのですが、今回はちょっと変わりました。それは、ネットオークションで購入したものが大変に多かったと思います。こんな良い品が ネットで買えたのですかと思わず声が出ることもありましたが、一発喰わされましたねというものが多かったようです。自分で使用していたものや、家にあった ものは別として、途中で入手したものに関しては、前歴が全く不明なのですから、売手が何と言おうと自分の手に入ってから、必ず一度手入れしてから使うことを おすすめします。この事は、このページでも何度も繰り返し申し上げていることです。古着だって、フリーマーケットで良いものを見つけても、家に帰って必ず クリーニングしてから身に着けることでしょう。それと全く同じです。
2月16日 時計博が終わって(No.361)
 世界の腕時計博が終わりました。大勢のお客様が、私のコーナーにお見えになりました。「ひとり言みてますよ!!」とおっしゃって、にこにこしながら 話しかけて下さる方が何人もいらっしゃいました。嬉しい限りです。ネットの世界の楽しさを改めて感じた一週間でした。有難うございます。修理なんでも 相談コーナーですから、いろいろな方の相談がありましたが、一寸した手直しをして差し上げたり、アドバイスもしましたが、作業やお話が終わりました時、 「有難う」のひと言も言わずにヌーと立ち去る人が何人かいらっしゃいました。有難うと言って欲しいわけではありませんが、冷たい印象を受け、がっかりも しました。最近の世相がこうなったのでしょうか。私は大勢の家族で住んでいますが、家族の間でも朝・夕の挨拶をきちんとする事にしてますし、近所の人達にも 必ず挨拶をするよう子供達や孫にもしつけていますが、皆さまは如何ですか。いい年した大人達が無言で立ち去る仕草には、幻滅を感じました。お見えになった お客様の中には、去年の時計博でお預りして、修理して差し上げた時計が大変調子が良くて、感謝してますよとおっしゃって、折も折だけにチョコレートを 下さった方が4人もいらっしゃいました。有り難いことです。感謝感謝!!
2月2日 スライディング式自動巻とお知らせ(No.360)
 自動巻時計はすべてローターが回転してぜんまいが巻けるわけではありません。メーカーは忘れましたが錘が左右にコトコト移動して、一方向に移動する時 一寸だけぜんまいが巻けるスライド式自動巻というものがありました。これは腕をちょっと振るだけでコトコト音がして、ちょっとわずらわしいことも ありますが、腕に着けていると話題になって、面白いこともあります。最近はあまり見受けなくなりました。お持ちの方がいらっしゃいましたら、是非御連絡 頂きたいと思います。
 2月6日午後2:00文化放送、大竹まことゴールデンラジオの番組の中で私のことが話題になります。大竹まことさんが何を言い出すかちょっと楽しみです。 お時間がおありでしたら、是非、ラジオの周波数を1134KHに合わせてお聞きになられてみて下さい。
 来週は、銀座松坂屋で時計博を開催してますので、2月9日のひとり言は、お休みさせて頂きます。次は16日に又お目にかかりましょう。多分時計博で いろいろな事がありますので、面白いお話ができることと思います。
1月26日 自動巻時計(No.359)
 機械式時計には、手巻き式と自動巻式がありますが、最近は手巻き式でも二日巻から七日巻式と長時間動き続けるタイプのものが市場にでてきました。 自動巻式は、1943年にオメガが3/4回転式のローターを組込んだものを発表しました。戦後まもなくの頃でしたが、風の便りで腕に着けているだけで、 ひとりでぜんまいが巻ける時計を持っている人がいると聞きまして、バスに乗って、その人に見せてもらう為に出掛けて行った事を想い出しました。田舎に 疎開していた頃の話です。自動巻の開発では、オメガ社が早かったようです。1953年には、婦人用の自動巻が発売になりました。日本国内では、1959年 に初めて、第二精工舎の諏訪工場(現エプソン)からジャイロマーベルの名称で紳士用自動巻が発売になってます。自動巻時計は、ムーブメントにローターと いわれるぐるぐる回転する錘が組込まれていて、腕の振りに合わせて、ぜんまいを巻く仕組みになっていますが、これも、いろいろ構造に差があり、 ローターが左・右どちらに回転をしてもぜんまいが巻けるものと、一方向のみ巻ける仕組み、又、効率が3/4位しかないものもあります。これらの時計は、 それなりに腕に着ける時間が長くないと充分にぜんまいが巻けませんから注意しなければいけません。
1月19日 初期のクオーツ時計(No.358)
 クオーツ式の時計が世の中に出てきたのは、我が国では、東京オリンピック競技に使用する標準時計として、卓上型の951型が一番最初です。この時計が 発売された時は、クオーツ式とは一体どんな時計なんだろうと殆どの時計屋さんは知りませんでした。クオーツとは、水晶のことでアクセサリーや印鑑に 使っているものと同じです。結晶軸に対して、一定の角度でカットした水晶板に電圧をかけると、正確な数で振動することが解っているため、その性質を 利用して、振動の反動で起こるわずかな電気の流れを取り出し、モーターを回して、針を動かしているわけです。最初に製造された卓上型のクオーツ式クロノメーターに 組込まれていた水晶発振器は、ミニチュアの真空管位の大きさでした。しかしこれが発売になった時は、業界の人々は、みんなびっくりしたものです。 でも、開発から30年も経つと、現在の水晶発振器は、マッチ棒の1/5位の大きさにまで小さくなってきました。更に小さく、正確なものも完成されています。 大量生産により、低価格品が沢山市場にあふれてきたため、クオーツの人気が薄くなりましたね。しかし何故か今また機械式時計に人気が逆戻りしてきました。 2月6日から開催されます銀座松坂屋の第17回世界の腕時計博には、沢山の機械式時計がお目見えします。是非お出掛け下さい。御希望の方には、案内状 ハガキをお送りしますので、メールで御連絡下さいませ。
1月12日 静電気とクオーツ(No.357)
 車のドアーを開けようとしたら指先から火花が飛ぶ、こんな経験をお持ちの方は多いと思います。空気が乾燥してきますと。良くこんな現象が起こりますね。 クオーツ式の時計が普及している昨今は、このクオーツの分解点検の時に、静電気対策が重要になってます。カーボンが含まれている作業マットと更に水道管 からのアースをとり、腕にもバンドを巻いてアースさせての作業です。これを怠りますと、クオーツ時計の回路はすぐ破壊されて、作動しなくなってしまいます。 作業マットも無く、アースもとれない時は、時計を分解する直前に手を洗います。作業の途中でももう一度手洗いをして体の静電気を落すことを考えてます。 電磁波には特に弱いクオーツ時計は、近くで大きなスパークがあったり、100m付近の落雷などありますと、すぐに回路が破壊されて止ってしまいます。 最近のクオーツは、少しは対策がとられていますが、一般に普及しはじめた1970年頃に製造されたクオーツは、特に電磁波、静電気に弱いです。30年以上 も前の製品で最近人気がでてきた当時のクオーツですが、交換部品は全くありませんので注意が必要です。
1月5日 謹賀新年(No.356)
 明けましておめでとうございます。昨年は約34,000人の方が私のホームページの窓口にお見えになりました。有難うございます。
 来年の2月6日から銀座松坂屋に於いて開催されます、世界時計博の準備に追われております。セイコー舎が時計の製造に取りかかったのが1896年 ですから、110年前になります。一番初めに製造したタイムキーパーという名の懐中時計がありますが、その現物を私のブースに展示しますので、興味を お持ちの方は是非お出掛け下さって、ご覧下さい。100年以上経ってますが元気に時を刻んでます。1907年の100年前には、初めて恩賜時計が作られ ました。それは、昔の軍関係者、又は国家の為に功績があった人々に政府から贈られたものです。当時の恩賜時計は、エキセレント17型で薄手のモダンな 懐中時計で、ケースはシルバー又は金製があり、蓋の裏に恩賜と大きく文字が刻んでありますが、現在アンティーク市場では大変高価になってます。 もしかすると、2月の時計博会場のどこかに並べられているかもしれません。会場にお出になられましたら、私のブースでひと言、“ひとり言を見てますよ”と お声掛け下さい。お待ちしております。

 

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