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12月30日 3年半を振り返って…。
(No.158)
2000年7月29日に初回のひとり言を始めました。 3年と5ヶ月。よくも書き続けたと思います。 ひとり言ですから書き続けたというより、しゃべり続けたということですね。 1週間に1度ですから、新聞小説よりもずっと楽なことだと思いますが、 1週間がアッという間にくるのでそれは大変なことです。 歩いていても電車の中でも、次はどんなことをいえばいいのかな…と考えていました。 今年もあと2日で終りです。 一年間私のホームページにお越しくださいまして、本当にありがとうございました。 来年もどうぞお気軽にお越しくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。 皆様におかれましては、どうぞ良き年をお迎えくださいますよう、お祈り申し上げます。 追伸・2004年2月11日〜17日まで銀座松坂屋でワールドウオッチフェアーが開催されます。 全国からアンティークショップ40数店が出店します。 楽しいフェアーですので、どうぞ皆様お誘い合わせの上お出かけくださいますようご案内申し上げます。 私のところでは、修理相談コーナーを開設していますのでお気軽にお声かけくださいませ。 新年のご挨拶は9日になります。 12月19日 セイコーナルダン (No.157) 1932年(昭和7年)にセイコーナルダンの名称で、 最高の技術を投入した17型のポケットウオッチが発売になりました。 これは今でもマニアの間では垂涎の的です。 私も一度、鑑定団に出演してまぼろしの一品買いますと探しましたが、 希望の品はとうとう見つかりませんでした。 これは恩賜(天皇陛下より下賜されたもの)の懐中時計として特に有名です。 翌年には婦人用としては最小の5型の腕時計が発売になりました。 この時計は、ひと頃流行した南京虫と良く似た形で、やや大きめですが、 ハイソサエティーの御婦人方にはモテモテの時計でした。 価格が高めに設定されていましたので、誰でも買い求めるというわけにはいかなかったようです。 しかし残念ながら、現在のアンティークマニアの人気はイマイチといったところですので、 市場で高値はついていません。 1941年には17型ベースのポケットクロノグラフが発売になりましたが、 これは次回のお話にしましょう。 12月13日 鉄道用19セイコー (No.156) 1930年になるとセイコーの名器といわれている19型の鉄道時計が発売になりました。 最初に産声をあげたのは四ツバネ式白支(瀬戸文字板)で、切天府、ブレゲーヘアースプリング式のものでした。 当時の価格14円50銭で発売されました。 鉄道が逓信省の管轄でしたから逓信省の名が彫ってありました。 国鉄も最初はアメリカから輸入していたウオルサムの18サイズの懐中時計を使用していましたが、 世界的経済事情で輸入できなくなり、19セイコーに変更されたわけです。 この19セイコーは軍用としても貴重な存在でした。 後に中三針式のものがマイナーチェンジで開発され、戦時中は零戦のコクピットに取り付けられて 大空を飛びまわっていました。 夜光の真っ黒い文字板は今でも人気が高いです。 戦後は一般市場に出回ってきましたが、1950年代の日産ノックダウン生産車、 オースチンケンブリッジのダッシュボードに取り付けられていたことは想い出のひとつです。 12月4日 昭和初期の時計 (No.155) 1925年は10型、26年は8型が発売になりました。 前回のひとり言で逆のお話をしてしまいました。お詫びして訂正させていただきます。 さて、その10型ですが、初めは全部パリス型で 裏ブタが蝶つがいになったクロームメッキのケースに収められていました。 文字板は瀬戸(白支)で、オール算用数字で、針はブレゲ針にきまっていました。 最も標準タイプに近い型となっています。 現在のように、特にデザインにこだわることもなく、実用的一本で通した時代であったようです。 ムーブメントはポケットウオッチのエンパイヤと同じく、スイスのモリスをモデルにして開発したもので、 現在でもモリス型として通っています。 7石、10石、15石と3種類ありましたが、7石が最も多く作られたようです。 これと同じ頃には、セイコー舎で製造されたものでありながら、 まったく別の名称で市場に出ていたものがあります。 ネーション、パロット、ダリアなどですが、ネーミングとムーブメントの受板の形状が違うだけで 部品の寸法はまったく同じく共通でした。 これらの時計を、セイコー製と知らずに取り扱っていた時計店が結構多かったと聞いています。 11月29日 珍品セイコー9型のお話 (No.154) 1924年には現在でいうところのボーイズサイズの9型の腕時計が発売になりました。 これはスイスのモリス社の時計をモデルにして開発されたもので、 セイコー舎の時計の原型ともいえる形です。 ポケットウオッチでも同じものになっていることは前述しました。 この9型の時計はベースの直径が約18.2m/mで、レディスともメンズとも、どっちつかずの型でしたが、 これが後には二重ケースに収められて、軍用時計となったことは皆さんの知るところと思います。 この時計は発売当初はムーブメントがニッケルメッキになっていました。 そしてさらなる特徴として、アンクル受の形がブリッジタイプで作られていました。 コレクターの方の中にはこれを目当てに探している方もいらっしゃいます。 今流行の言葉でいえば、超珍品といったところです。 その後、片受に変更されて、銀メッキのムーブメントになってしまいました。 ちょっと味が薄くなったというところです。 翌1925年には8型、'26年には10型が発売になりますが、これは次回にお話しましょう。 11月21日 大正ロマンに満ち溢れた時計 (No.153) 大正2年(1913年)にローレルの名称で12型の腕時計が発売されました。 当時としては大きめの形であったため、一部懐中時計として売り出されてもいました。 7石でそんなに高級品ではありませんが、 当時の世相からすれば、めったな人はこの時計を腕に着けることはできませんでした。 同じ頃マーシーの名称で13型のポケットウオッチが発売されていますが、 これはセイコー時計史上でも影が薄く、あまり人気がなかったようです。 技術的な話になりますが、12型ローレルも13型マーシーもヒゲぜんまいがやわらかくて、 作業上大変取扱にくいので、分解掃除で時計屋さんが壊してしまうことが多かったと聞いています。 たまにアンティークショップの店頭でみかけますが、人気の度合いはイマイチといったところです。 大正5年(1916年)に16型でライトの名称のポケットウオッチが発売されました。 これはちょっとした高級品で、これも恩賜の懐中時計として使われました。 これは今でも人気があり、コンディションの良いものは、10万円近くしますので 手に入れにくい商品です。 11月13日 時計屋泣かせの懐中時計 (No.152) 明治42年(1909年)にはエンパイヤの名称で16型懐中時計が発売になりました。 これはスイス製のモリスという会社の製品をモデルにして作ったものですから、 何から何までモリスそっくりでした。 モリスには二種類ありましたが、セイコーもそっくり二種類作っていました。 当時モリス社とどんな契約をしていたかわかりませんが、 よくもここまでそっくりのものを作ったものだと感心しました。 このエンパイヤは7石、10石、15石と三種類のグレードで発売されていました。 ケースも、クローム、ニッケル、シルバー、K18とバラエティーに富んでいました。 文字板もバトラ(金属支)と瀬戸の二種類でした。 大正3年(1914年)になりますと、ワールドという名称でエンパイヤの普及品ともいえる廉価品の、 同じ16型の懐中時計が発売になりました。 これは発売当初から具合が悪く、時計屋泣かせの品でした。 今でもたまにお客様がお持ちになりますが、見るとゾーッとするくらい泣かせられた時計です。 11月7日 セイコーの歴史 (No.151) 精工舎は、明治29年にタイムキーパーの名称で懐中時計を製造発売しました。 これは、シリンダーエスケープメントを組込んだもので、白支(瀬戸文字板)、 ニッケルケースと、シルバーケースの二種類でした。竜頭を押すと裏蓋が 開いて、ムーブメントが見えるようになっていて、当時としてはハイカラな デザインでした。羽織、袴の紳士が懐に入れて持ち歩いたものです。 明治32年になりますと、アメリカのウオルサムをモデルにしたと思われる タイムキーパーよりはるかに薄型で17型のエキセレントを発売しました。 7石と15石入りがありました。これは、切天府、巻上げヒゲで高級品として 取り扱われております。エキセレントも、クロームメッキ、シルバー、K18と 三種類のケースに収められ、文字板も、ギリシャ文字とローマ数字との二種類で 瀬戸文字板の高級品でした。これは、恩賜時計として、天皇陛下から功績のあった 軍人や民間人、あるいは東大卒業の優等生等に賜られました。ケースの裏に恩賜と 大きく彫ってあり、今でもアンティーク界で人気が高いのです。 10月29日 お手入れについて (No.150) 自動車の場合は、3年〜2年に一度の車検と、6ヶ月毎の定期整備が義務付けられています。 これは、生命にかかわる事ですので、法令で決められています。同じ乗り物でもエレベーター などは、1ヶ月に一度の点検をしなければいけません。 時計はどうでしょう。これは、使用する本人まかせで、ある人は3年〜5年にきちんと 定期OHをしているという事も聞いています。 しかし殆んどの人は、OHの代金が高いからか、或いはケチなのか解りませんが、時計が止まり 出してどうにもならなくなってからOHに持ってくる方が多いようです。生命に関わりがないからかも しれませんが、それでは時計が可愛そうです。5年以上使用した場合、1年過ぎる毎に修理代が どんどん高くなると思って下さい。水につけた場合は、海水3時間、真水2日で時計が駄目になります。 そんなトラブルの時は、速やかに時計店に駆け込んで下さい。よく、俺の時計は5年も手入れして いないのに、正確に動いているよと言っている人がいますが、これは決して自慢になる話では ありません。ガソリンだけ入れっぱなしで走りまくる自動車と同じです。 10月21日 思いつくまま(No.149) ひとり言でおしゃべりをはじめてから、3年と2ヶ月が経ちました。その中では、 同じことを繰り返しお話した事もあるかと思いますが、何せ、思いつくままにおしゃべり してますので、年令のせいもありその辺りは、ご勘弁下さい。 一般に時計の修理料金は高いと思っていらっしゃる方が多いと思います。 一回に支払う金額が高いので、そう感じるかもしれませんが、毎日世話になることを 考えると、決して高価ではありません。3年〜5年でメンテナンスをしていれば、 1日当りの費用は微々たるものです。これは、Yシャツのクリーニング代より 安いことになりますと、前にもお話したことがあると思います。又一日何回か時計を見て、 時間を知り、人生のドラマにめぐり逢い、時が過ぎてゆくのです。映画や小説の中で 時が刻々と過ぎゆく様が様々な表現で見る人、読む人の心の中につきささってゆくさわりは よく出逢うシーンです。時計が主役になるわけですが、その主役になっている時計と、 関わりを続けて50年過ぎてしまいました。ホームページの写真をごらんになり、御想像 下さい。 10月14日 良い時計・悪い時計(No.148) 講演会を頼まれて、時計に纏わるお話をすることがあります。その中で必ずお話をすることが あります。それは、一般に言われている“良い時計”“悪い時計”とは何だろうということです。 これはいい時計だよ!!という会話は日常茶飯事です。ではいい時計とはどんな時計のことなので しょう。値段が高いから、複雑時計だから、金側に入っているから、メーカーが有名だから、 有名人が持っているものと同じだから、限定品で希少価値があるから、有名時計師の手が入っているから、 良く時間が合うから、特定の記念に製造されたものであるから、といろいろな考え方があるようです。 でも、良い時計に関わる想い出は、人それぞれ少しずつ違いがあります。良妻賢母型の時計が 私は一番好きです。それはどんな時計であるかは、皆様がそれぞれお決め下さい。皆様にとって 良い時計はどんな時計でしょうか? 10月8日 お客様相談室は頭が痛い(No.147) 70,000人目のお客様がきまりました。東京都小平市にお住いの方でした。60,000人目の方は、 上海でお仕事をなさっていらっしゃる方でしたが、今回は日本でした。次回は77,777人目の方に 記念品を差し上げることにします。お楽しみに。 前回、“社長を出せ”という本の事で少しお話をしましたが、これは、カメラのお客様相談室 の担当の方のお話です。私の関係する時計のお客様相談室の方達にも、是非この本を読む様に すすめましたところ、大好評でした。こんなひどい事があるのなら、私達時計の窓口は、はるかに 良い方だと、みんなが言ってました。最近は情報化時代です。とんでもないクレーマーが1人でも でてきますと、釦一つで全国のサービスステーションに報告が入りますから、それなりの対策が すぐにできます。メーカー側も、早くに手を打ちますので、新聞の下段に掲載されている “お知らせ”“お詫び”の公示は、後をたたない昨今ですね。みんな苦労してます。 10月1日 お客様は神様です・続き (No.146) 昨年の暮れに同じ不安なことをお話したと思いますが、トラブルの苦情をメーカーの サービスステーションに申し入れする方は、大勢いらっしゃいます。よくゴネ得という 言葉がありますが、ゴネて自分だけが得をしても相手が損をしているわけですから、決して 気持ちがよいものではありません。 “社長を出せ”という本をお読みになると、苦情の申し入れ方が上手になるかもしれません。 話のもっていきようによっては、おとなしく話して下手に出てお話をした方が、かえって得を することがあります。理路整然と自分が正しく相手の非を攻める人がいますが、それは決して 良としないことがあるようです。 メーカーのお客様相談室の窓口を担当してますと、心臓がいくつあっても足りないし、 胃薬は毎日飲み続けるそうです。ダイエット希望の方は、一度この担当をしてみることを おすすめします。 カウンター70,000番目の方に、記念品を贈呈いたします。画面をコピーして、お送り下さい。 9月25日 お客様は神様です (No.145) お客様は神様ですと云う歌がありました。確かにお客様は神様であるかも知れませんが、 一方的に神様ときめつけてしまうのも、どうかと思います。神様にも色々あります。 人間様々と同じです。俺は神様だと思っているお客様は、はっきり云って手がつけられません。 製造業のお客様相談室の担当者から云わせれば、一番嫌われるお客様です。 一度この欄でも書いた事がありますが、修理を頼むにしても、トラブルが起きた商品を 持ち込むにしても、話し方があると思います。 私の会社は、セイコーのサービスステーションに名称が似ていますので、よく間違って 電話がきます。現古書店の店頭に並んでいる本で宝島社発行の“社長を出せ”という タイトルの面白い単行本があります。カメラ会社のサービスの窓口にいらした方が書いた 実際にあった話を基に書いたものですが、私のところにも、この本に書いてある様な似た話が 持ち込まれることがあります。同じことを云う様になってしまいますが、初めから大声で 怒鳴る方がいらっしゃいますが、これは大変損をなさっていらっしゃる方かと思います。 大声を出したかと云って、決して得になることはありません。次回につづく。 9月15日 修理 (No.144) 時計の修理をすべて下請けや外注加工ですませるという事を申し上げましたが、 一部ブランド品に関しては、百貨店の時計部や一流時計店に持ち込んでもすべて代理店送り、 または輸入特約店送り、また場合によってはスイス送り、メーカー送りとなって修理されます。 国産品でもセイコーのクレドール製品やグランドセイコーに関しては、いわゆるメーカー修理となって 一般の時計店では扱えないことになっています。その他一部のダイバー専門時計も耐水の補償関係上、 メーカー扱いになっている品もあります。 輸入メーカーによっては製造年代にボーダーラインを設けて、 ある年代以前の品は修理を拒否しているところもあると聞いています。 国産の場合は、どんなに古い時計、たとえば戦前の品であっても、 お客様相談室の窓口で事情を説明すれば受け付けてもらえることもあります。 または、修理可能な他店を紹介してもらえることもあるようです。 9月9日 後継者不足 (No.143) ここ十年位前から修理に持ち込まれる時計について、お持ちになった方からの話の中に、 長い間お世話になっていた時計屋さんが亡くなってしまったので、もうこれを直してくれるところが なくなってしまいました。そして色々調べて私のところに辿り着く方が多いようです。 私の会社は東京都の時計組合に加入して活動をしていますが、組合加入の時計店も年々少なくなってきています。 後継者不足と、子供がいても仕事を覚えようとせず、学業にのみ力を入れてしまうということが多いように聞いています。 修理品をすべて下請け、外注加工で済ませることができる昨今ですから、 営業だけでもやっていけるので、店を閉めなくても良い時代です。 しかし、技術に詳しい人が店頭にいれば、お店の信頼度は上がるのではないでしょうか? 9月2日 修理記録 (No.142) アンティーク時計を購入した時は、その時計に関してはお店の主人から聞く位で他はまったく解りません。 でもこれから自分で大切に使いたいと思っている時計に関しては、ある程度のことは知りたいと思うでしょう。 時計を修理した場合、それに関わった技術者(職人)は時計の蓋の内側に修理日と誰が修理したかがわかるサインを 残すことが多いようです。 再修理の時のトラブルを少なくするためです。 しかし個人の時計店の場合はすぐわかりますが、メーカー系の修理サービスの場合は台帳ナンバーのみの記録で、 他人にはわからないようにしています。 ですから他店では解明できないのです。 何十年も昔の時計によく見られるのですが、裏蓋の内側にずらりと修理記録があります。 これらを見る時、その時計が前の持ち主に大切に扱われていたことが窺われます。 記録の書体によっては同じ職人がずっと関わってきたことがわかり、その息吹が伝わってくるのです。 8月25日 時計の履歴書 (No.141) 時計名称を基にして、文字板名称、年代、生産国、ムーブメント名、キャリバー、石数、型式、手巻、自動巻、 コンプリケーションの種別、ケース材質。 クオーツの場合はでんちの種類とナンバー、 そして○月○日にどんな作業を誰がしたのかがひと目で解る書類を作ることになります。 さらにその時計に限られた何かで別に解ることがあれば記述できるよう、空欄をもうけることにします。 こうすれば自分の時計のルーツもよく解明できますし、 他人様に渡る時も、納得の上で旅に出せることになるでしょう。 いわゆる時計の履歴書になるわけですね。 8月19日 時検証(No.140) 時計の整備記録を発行することについては、大きな組織を動かさなければいけません。 メーカーやディーラーではそれなりの書類を作成していますが、 一般の時計店では簡単な書類ですませているところが多いようです。 また、フォームもそれぞれ仕様が違っていて、統一されたものではありません。 時計にも自動車の車検証と同格なものがあると良いと考えるのは私ひとりではないと思います。 私のところでは、私なりに考えたフォームを作っております。 近々、私のところで修理を請けた時計に関しては、この新フォームの時検証を作成して添付しようと考えております。 8月8日 時計整備記録 (No.139) アンティーク時計を購入する時に一番心配なことは、ムーブメントのコンディションではないかと思います。 時代が古ければ尚更気になるのではないでしょうか。 文字板をリダンしたり、ケースをメッキしたり、研磨すれば一見きれいに見えますが、 中味はボロボロなんていうものがたくさんあります。 板金、塗装がきれいにすんだ中古自動車もそうですね。 自動車の場合は車検証がありますので、まだ少しはわかりますが、それでも走行メーターの巻きもどしなどで ごまかす業者がいるみたいです。 国土交通省では来年から車検証に走行距離を記述することを義務づけることにしましたね。 大変良いことと思います。 そこで時計についてもこれに近いことがあったら良いのではないかと考えました。 次回へつづく。 7月31日 秒針規正機構 (No.138) 秒針規正機構はメーカーやムーブメントのキャリバーによってかなりの違いがあります。 0秒規正の19セイコーは四番車(1分間に1回転)に小さなピンが立っていて、 竜頭を引き出すと同時にレバーが移動してそのピンを止めるのです。 一番多い構造は、レバーが天府を押えて止まるという装置ですが、 これも特許の関係かと思いますが、よくもまあこんな複雑な構造を考え出したなと思われる セイコーの45タイプのものや、こんな簡単なことで止まるんだと思うETA社の28系のハック装置もあります。 その他、ツツミ車の移動と連動してレバーが動いて、四番車の歯を軽く押えて止める構造です。 シチズンもセイコーもこのタイプの規正装置が採用されているものが最も多いようです。 7月23日 規正秒針 (No.137) 時計用語集の中に「秒針規正」があります。 これは、現在市販されていますクオーツ時計のほとんどは竜頭を引き出すと即秒針が止まりますね。 これが現在最も普及している仕組みです。 しかし50年も昔になりますと、機械時計でこの装置が組み込まれたものはそうは多くありませんでした。 19セイコー鉄道時計は1950年頃からセコンドセッティングの名称で竜頭を引き出しておくと、 0秒の位置で秒針が止まり、押し込むとスタートするという大変便利な装置がついています。 それより以前には、スイス製でグリシンという軍用時計がこの装置を装備していました。 このグリシンという名の時計は、文字板の12時位置に小さな穴があいていて、 竜頭を引き出すとこの穴から極く細い針金が飛び出して、秒針の行き先を遮るのです。 秒針はその小穴から飛び出た細いワイヤーに引っかかって止まるのです。 よく見ると、とても可愛らしい作業です。 よくもこんなことを考えたなと思います。 1960年代になりますと、メカ時計の中級品以上は、ほとんどこの装置(秒針規正)がつくようになりました。 クオーツ時計では、長期間使用しない時は竜頭を引き出しておきますと、 消費電流を抑えることができるので、電池がドロップしません。 7月10日 お知らせ (No.136) ちょっとしたお知らせです。毎日放送系列(TBS・東京6ch)に『家庭の魔法』という番組があります。 東京では毎週水曜日午後6時50分放送開始です。これに私めが出演することになりました。 7月16日に雨が降って野球放送がない場合には放送されますが、 晴れで野球があれば8月6日の同時刻となります。(これは東京での放送予定です) もしお時間がおありでしたらぜひご覧くださいまして、感想をお聞かせいただければ幸いです。 静岡県大井川の上流まで出張して、大きな時計を修理するという件です。一日がかりの撮影でしたが、 たぶん10分位に納まっているのではないかと思います。 7月9日 クロノグラフの効用 (No.135) オメガのスピードマスター、ブライトリングナビタイマー、ロレックスのデイトナ、 セイコーのパシフィークなどはすべて若者に人気が高いクロノグラフです。 腕に着けているとかっこいいということで受けているようですね。 実際に、ビジネスにこのクロノグラフを利用しているという方には滅多にお目にかかりません。 そこでッ今回はクロノグラフの効用、楽しみ方について少しお話しましょう。 タキメーター目盛がついていますと、自動車や歩く速さなどの対地速度を測れます。 1000mを1分で走れば時速は60Km・30秒で、走れば120kmですね。40秒では90kmですから タキメーターにはその数値が印字されています。 他に、生産管理に使用されることが多いようです。 次々と生産されている製品について、10個生産される時間を計測した時、30秒であったとします。 そこには120の数字を読み取ることができますので、 10×120=1200で、1時間あたりの生産個数がわかることになるのです。 数えた個数×目盛数値=時間当り数ということです。 ブライトリングのナビタイマーには計算尺機能が付いていますので、 かけ算、わり算、毎分あたりのマイルの算出、飛行機の上昇、下降、速度の算出、 上昇下降距離の算出、会場マイルと法定マイルの算出等々ができるようになっています。 6月30日 憧れの腕時計 (No.134) 私のホームページにいらしたお客様が6万人を越えてしまいました。 先日「6万人目のナンバーをヒットした方に記念品を差し上げます」と報じましたら、 幸運な方がいらっしゃいました。それも上海からでしたので、びっくりです。 Y・Iさん、おめでとうございました。 7月15日から銀座プランタンで開催いたしますアンティークウオッチフェアーの正式名称は、 ロレックス&ビンテージウオッチフェアーです。 ご案内状をお送りしますので、ご希望の方はメールかFAXでご住所とお名前をお知らせください。 オープニングサービスでは堀り出しものがたくさん出品されます。 また、オークションで珍しいものが手に入るかもしれません。 皆様のお越しをお待ち申し上げております。 私が一生に一度でいいから腕に着けたいと思っている時計があります。 それはパテックでもなくロレックスでもなく、ブランパンです。 世界の時計メーカーがクオーツでなければ時計ではないといい出してクオーツ時計に明け暮れていた時代に、 クオーツ時計は作らないと宣言したブランドです。 当時は人々の記憶の中だけに存在したブランド「ブランパン」です。 1601年からの歴史のあるブランドですが、一時休業していて1982年に再起して現在に至っています。 ウルトラスリム、クロノグラフ、ツールビヨン、スプリットクロノグラフ、ミニッツリピーター、 いずれも一度は手にしたい芸術品ともいえる数々です。 まずは宝くじからの出発です。 6月24日 用語の話・続き (No.133) 振動数という言葉を良く耳にすることと思います。クオーツ時計においてはその基となる水晶振動片は、 現在は32,768Hzを使用しています。マージャンの点数みたいな数ですのですぐ覚えられますね。 機械式時計では5Hzが主流でしたが、1955年頃から6Hz、5.5Hz、8Hzと 色々なメーカーで工夫をして新しいものが開発されてきました。 日本式表現でハイビートといわれている時計は10Hzで、1時間36,000振動になります。 これは他国ではハイスウィングといっているようです。 振動数が高くなると、潤滑油の保油の問題が出てきたり、ショックが強いので磨耗による部品の精度継続保持の 問題などで思わぬトラブルに巻き込まれて、最近は8Hzに落ち着いてきたようです。 10Hzの方が、単純に考えて、時間があいそうですが、結果は8Hzになってしまいました。 実際に時計の修理に関わっていますと、動き出したときの天府の振り方を見たり、音を聞いた限り、 長年聞き慣れた5Hzが耳に一番しっくりとくるようです。 ひとり言をご覧になっている皆さんにお願い致します。時計に関することで 何か疑問をお持ちの方、または「これを知りたいよ!」ということがありましたら メールでご質問ください。 私にわかる限りのことは、この欄でお答えさせていただきます。 6月17日 「クロノメーター」の称号 (No.132) 用語集の中に、クロノメーターという用語が出ています。良く聞く言葉です。 昔、1930〜45年頃までは、クロノメーターといえば精密機械という意味にとられていましたが、 本来の意味はまったく違います。 時計でクロノメーターと呼称できるものは、本当に数が限られています。 これはCICC(国際クロノメーター管理委員会)の管理下にある公的機関によって定められた 検定を受けて合格した高精度機械時計にのみ与えられた称号です。 合格基準は〔ISO3159・時計てんぷ式腕クロノメーター〕に規定しています。 どんな試験をするかといいますと、第一期試験は12日間で、靜置試験で6方向、28℃で行います。 第二期試験は8日間で、熱衝撃、機械衝撃、磁気衝撃、動的歩度。 第三期試験は12日間で、静置実測6方、28℃。第四期試験は5〜6日で、20℃、36℃の 温度係数試験となっています。 その後、いろいろな改革があり、1969年以降、日本クロノメーター検定協会が 独自の検定に合格したものにクロノメーターの称号を与えています。 お知らせ・その1。7月15日から21日まで、中央区銀座のプランタン7階において、 ロレックス&ビンテージウオッチフェアーを開催します。 いろいろなアンティークウオッチをお手にとて見られるチャンスです。ぜひお出でかけください。 初日にはロレックス人気アイテムのオープニングサービスがありますので、マニアにとっては目が離せません。 私のところも国産時計で出店していますので、いらした方はお声をかけてください。 お知らせ・その2。もうすぐ来訪者が6万人に達しようとしています。 60,000をヒットした方は、証拠となるものを添付してメール、あるいはFAXでご連絡ください。 ささやかな記念品を差し上げます。 6月7日 時計用語の話 (No.131) 社団法人日本時計協会が、この度時計商業用として多く用いている時計に関する用語を解説した 用語集を発行しました。今回はその中から身近に聞く用語をひろってみました。 ウオッチ→携帯時計→どんな姿勢でも作動し、かつ携帯することを目的とした時計。…と説明しています。 また機械時計は、動力源、時間基準および指示装置が機械的構造である時計…と記しています。 ムーブメントは、動力源、時間基準などの装置からなる時計の機械体。 備考として、電子式のものをモジュールと呼ぶこともある…となっています。 時計の大きさを示す単位として、何型といういい方がありますが、 これはムーブメントの大きさを示す数字で、1型が2.256m/mに相当します。 レディスの基準は8型、メンズは10型11型12型が多いですが、 ムーブメントの大きさが2.256m/mのそれぞれ8倍、10倍、11倍、12倍であるということです。 みなさんがよくご存知の、オメガスピードマスターはベースが27m/mですから12型になります。 ただし文字板の直径が14型の場合は12/14と表示しています。 追伸。時計のダイアルについて、文字盤か文字板かでふた通りの書き方がありますが、 なぜかメーカー筋では「板」を使っているようです。 |
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