ひとり言バックナンバー No.10

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9月18日 セイコー初期の時計 その2 (No.98)
 1924年に9型の腕時計が発売されました。 婦人向けの時計としてはやや大きめ、男性用としては小ぶりの型です。 パリス型といって、丸型のものだけでしたが、後にこれは二重ケースに収められ 軍隊用、いわゆるミリタリー時計として世にでてきました。 これは現在でも人気が高く、コンディションの良いものはアンティーク市場でも 結構高値で取引されています。 スターマーク、イカリマーク、サクラマークものは人気が高いです。 戦争が盛んになり、当時の敵国語としての英文字(ローマ字)が使えなくなり、 カタカナでセイコーと書いた文字盤ができたのも、この9型セイコーが最初です。
1925年に初めて紳士用時計として10型セイコーが発売されています。 翌年にはニューエンパイヤの名称で16型の懐中時計の新型が発売され、 すぐまた翌年には8型の婦人用が世にでてきました。 いずれもモリス型の定番品です。 中にスペシャルセイコーと銘打って、切天付つきのものもあり、ちょっとお値段が高かったようです。 昭和5年(1930)には、かの有名な19セイコーが産声をあげたのです。

9月14日 セイコー初期の時計 その1 (No.97)
 セイコーから、1899年に発売された懐中時計に、16型のエンパイヤがあります。 スイス製のモリスと言う名称の同じく16型の、懐中時計をモデルにして、 開発されたものでモリスにそっくりです。 16型のエンパイヤは、7石、10石、15石、とバラエティーシリーズで、 ケースも、ニッケル、クロームメッキ、シルバー、ゴールド、と各種あります。 文字板も、瀬戸、金属、といろいろです。 相当数製造されてますので、そんなに人気はありません。 まれに、15石で切天府付もありますが、これなどは珍品の類です。 1914年に、エンパイヤ別名ワールドが発売になりましたが、 これは調子が悪くて、時計屋仲間を困らせたものです。 現在でも、調子よく動いているものは、極く少ない様です。
1913年には、セイコーでは初めて腕時計を作りました。 ローレルの名称で、12型、7石のものです。 文字板は、瀬戸(七宝)で当時としては、おしゃれな時計でした。 大正の中期に入りますと、赤文字という文字板が流行して、 数字の12時のところだけが、赤くなっているものが発売されて、 大変な人気になりました。 大正ロマンの中で、育ったデザインです。 最近、復刻版で赤文字のデザインを、見ることがありますが、 当時の書体とどこか違うのでがっかりです。 算用数字の文字板でも、書体が時代と共に変化してます。 100年前の文字と現代の文字を比較してみるのも、面白いことと思います。

9月2日 時計の製造年代お調べします (No.96)
 自分の生まれた年に発売された時計について、 問い合わせが多くの方から寄せられています。 大勢の方が関心をお持ちのようです。
既に使用中の時計に関しても、ある程度のことは分りますので、 時計名・キャリバー・又高級品に関しては、シリアルNo.・ケースの裏側に記してある、 あらゆる数字をお知らせください。 セイコーに関しては100%判明します。 他のメーカーでも資料が手元にあるものに限りお知らせできます。一度お試しください。 大量生産されている廉価品については難しいです。 記念品として製作されたものや、キャラクターものはまったく不可になります。 1990年以降は、こうした品物が市場に溢れて全く訳が分らなくなりました。
セイコー舎では、1897年に、タイムキーパーという名称で、 懐中時計を製造・発売しました。 現在でも完全に動いているものが沢山あります。 私もコレクションの中に1個ありまして、時々動かして昔の音を聞いています。 100年も昔の音を聞くことは万感の想いです。
1899年には、アメリカのウォルサムをモデルにして開発された、 エキセレント17型懐中時計が発売になり、恩賜の銀時計として有名です。 ケースの裏側に恩賜と文字が彫ってあります。 大変貴重品としてアンティーク市場では人気が高いです。

8月25日 正しい日本語使いましょう (No.95)
 最近テレビや新聞紙上で、大きな話題になっていることがあります。 それは、正しい日本語が、姿を消してきたと云うことです。 流行語の変化とは一寸違う様です。もちろんその時代に合った、言葉遣いはありますが、 それとは一寸違っている様です。
そこでお話したいことは、家電製品やカメラと同じかと思いますが、 時計のサービスステーション(メーカー指定)に、修理を持ってこられるお客様の、 言葉遣いのことにふれないわけにはいきません。 何時・何処で・何が・どうしたか!!と云う情報の説明が、良くできない人が多いのです。 又、お客様は神様ですの観念からか、横柄な話し方をする方も多い様です。 自分のミスで壊した品でも、何故かこちらが、悪者になってしまいそうです。 修理代が高価なこともありますが、時計の場合、部分修理というものは、 以外に高くつくものです。 とかく部分修理と保証期間中故障には、トラブルがつきまといます。 購入してから、少なくても1年以上経ったものでしたら、 総合的に判断して修理技術者にまかせて頂きたいところです。 現在では、昔の様に、知らない客を騙すこともありませんし、 インチキ修理は姿を消しています。 しかし何回かお話しましたが、経験の豊かな技術者にまかせた方が安心です。
  側開け3年(ケースを開ける作業のこと)
  ザラ 8年(輪列を組立てだけの作業のこと)
  振付 一生(心臓部を組み立てて動く様にして、時間を調整する作業のこと)
サービスを依頼する時に交わす会話では、偉ぶって高慢に話をする方は、 決して良い結果にはならないでしょうね。

8月17日 19セイコーの歴史 (No.94)
 セイコー19型の鉄道時計は、昭和5年(1930)に産声をあげましたが、 日支事変が始まり、第二次世界大戦(太平洋戦争)へと移っていく中で 軍需専用になってしまいました。 かつて、大空の勇姿と云われた零戦のコクピットに取り付けられていたことで有名です。戦災で打撃を受け一時生産が中止されていましたが、1945年終戦を迎えた後、 防空壕の中に収められて戦災を免れたパーツをいち早く組立てて市場に出荷しました。 しかしその頃は、国鉄優先で一般市場には出回っていませんでした。 今でも昭和21年、22年、23年頃の国鉄ものは、アンティーク市場では人気があります。 コレクションとして 一個くらいは手元におきたいところです。 ムーブメントは、物資不足の時代の製品ですから、材料もメッキ、模様付け、 研磨などは現在のものと比較したら、それはひどいものです。 よくぞ動いていてくれたなとおもうくらいです。
それからとても残念な事なのですがこの当時のことを、詳しく知っている人達 (大先輩)が一人も、この世にいらっしゃらないことです。

8月10日 あなたの生れた年に出来た時計は何?(No.93)
 古い物に憧れる傾向は、最近特に顕著になってきましたね。時計の世界でも同じです。 古くから家にあった機械時計を改めて見直し、修理して甦らせ、 古きを偲ぶ人達が増えてきました。又、一方では、自分の生れた年代には、 どんな時計が世に出たかを知りたがっている人も多い様です。 私のホームページで、鉄道時計をご覧いただけると思いますが、 購入希望者は殆どと云って良いくらい、自分の生れ年に合わせて、 お求めになっていらっしゃいます。
そこで今回は、新しいサービスを展開します。 セイコー舎が、1946年以降 1986年まで生産した製品を、 年度別にお知らせ致します。メールでお尋ね下さい。 ご自分の生れた年に、どんな時計が生産・販売されたかを、すぐお知らせします。 一覧表はお送りできませんが、各年についてはお知らせできると思います。 自分の生れ年についてだけでも、把握していると、アンティーク時計を求めるとき 役に立つでしょう。1945年以前についても、お知らせできますのでお尋ね下さい。 1935年〜1945年までは、殆ど軍需で新製品は少ないです。 では又

8月3日 感で時を計る (No.92)
 ストップウオッチを裏にして、机の上に置いて下さい。 10秒を体で計って押してみましょう。 10秒でピタリと止められますか?これは、練習すると上手になります。 是非やってみて下さい。 自動車競技で、レーサーがスタート位置についてから、シグナルスタートの場合ですが、 赤から黄に変わり10秒後にグリーンに変って、スタートするのですが、 グリーンになったことを、眼で確認してからのスタートでは遅いのです。 黄色になった瞬間から、10秒を自分なりに頭の中でカウントして、 グリーンになった時は、ペナルティーにならないすれすれの瞬間に、 スタートしているのです。この1/100〜3/100秒位のタイムが、 決定的になって勝負がきまることがあります。
何十年も前のことになりますが、ピエロ・タルフィーと云う有名なレーサーが 我が国にきて、創世記の日本人レーサーの卵達を集めて講義をしました。 その時、スタートの話になりましたが、スタートの瞬間をカウントするのに、 イチ、ニ、サン、と云うように数えないで、十一(じゅういち)十二(じゅうに) 十三(じゅうさん)と数えて、二十(にじゅう)までにすると間のとり方が良くなり、 バランスがとれてぴったり10秒を計ることが、できるということでした。 皆さんもやってみては如何ですか。

7月27日 時計もメンテナンスしてください (No.91)
 自動車を購入すると、車検は当然のことながら、6ヶ月点検、 12ヶ月点検と義務ずけられた整備があります。 機械物は、すべてそうですが、時計は生命に関わるトラブルになりませんので、 おろそかにしがちですが、時計も機械です。 6ヶ月とは云いませんが、3年か5年に一度のOHが必要です。 フリーマーケットで買い求めたとしても、先ず一度、OHをして、 そこから自分の歴史を作るべきです。
前にも一度お話したことがあると思いますが、時計に関わるインタービューを受けると、 必ずと云って聞かれるメンテナンスの話です。しつこい様ですが、何度でも云います。 機械時計は、3年〜5年に一度は、必ずOHをして下さい。 クオーツであっても、運針部機構は、歯車があってわずかの力で、 動いているわけですから、油がかたまると、動きが悪くなり、遅れの基になります。 電池取り替え3回したら、4回目にはOHも一緒にやりましょう。 修理代が高いからと云って、後のばしすると、ろくな事になりません。 一日に20回時計を見て、3年間で、21900回見たことになります。 3年目のOHに¥20,000かかったとしても、一回1円にもなりません。 一日に、何回となく世話になる時計ですから、大切に使うために、 早めのメンテナンスで、一生使えるものになるのです。

7月20日 現在の時計作り (No.90)
 最近は100円ショップでもクオーツ時計が買える時代になってしまいました。 歯車はエンプラ(エンジニアリング・プラスティック)になり、 すべてロボットに依る組立になってしまいました。 一本のベルトコンベアーで何万個という時計ができる時代です。 3000円以下の時計は、使い捨て時計と思ってお使いください。 電池代よりも安い時計がたくさんあります。 機械式時計もベルトコンベアーで作る時代です。 歯車一つ一つをロボットが上手に掴んで正確に組立てて行く様は、 まさに芸術とも見える仕業です。 しかし最近は手作りの時計がもてはやされる様になってきました。 最も、時計以外でも手作業に依る作品は貴重品扱いされるようになりましたね。 履く品一つひとつにぬくもりが感じられたり、作った人の息吹が伝わってくるのです。 そんなことで皆さんの生活が安定してきたのでしょうか…。 今最も売れている時計は、手作りに依るもので、30万〜50万円位に人気が集中しているということです。


7月13日 精度の進歩 (No.89)
 機械式時計は、クロノメータークラスの時計でも一日何秒かは誤差がでます。 ましてや、低価格では一日の差は20秒〜1分位までは止むを得ません。 1950年頃の時計は、新品でも出荷される時に −20秒〜+1分30秒なんていうのは当たり前のことがありました。 しかしクオーツの発明に依り、その誤差はだんだんと少なくなってきました。 クオーツも開発された当初は水晶発振子の形も大きくて、 そんなに安定していませんでしたから、結構大きな誤差がありました。 水晶発振子も、製造したばかりの時は振動が安定していませんから、 進み遅れが激しいですが、エージングが長期間なされて安定してきますと、 良く時間が合うようになってきます。ひところ発売されていたクオーツ時計には、 トリマーコンデンサー(今でも高級品にはついている)が組み込まれていて、 時間の緩急ができますが、低価格品は、振動子が安定したらそのまま組み込んで いますので緩急はできません。でもほとんどが月差で15秒〜20秒位の中に入っています。


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