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8月11日 時計修理にかかる時間
(No.48) 仕事の関係で、雑誌記者、新聞記者、TVレポーターのインタビューを受けることがあります。 その時必ずといって良い位聞かれることがあります。 それは、一日何ヶ位修理しているか?という質問です。 新規製作の工場ですと、すぐ返事が出来る質問ですが、 一般の修理では決してすぐ返事のできる質問ではありません。 1ヶにかかる時間は、決してきまっていないからです。 単純なOHですと、40分〜1時間半位で片付けてますが、 アンティークウォッチになるとそうはゆきません。 3時間〜5時間、はたまた3日なんていうのもざらです。 いま私のところでお預かりしています修理品は、最短で1ヶ月、 長いもので1年〜2年なんていうのもざらにあります。 部品の手配にスイスオーダーであったり、フリーマーケット探しなんていうのもありますのでそれは大変です。 たまにあちこちの神社で開かれる骨董市などに出かけては、 古くからお預かりしている修理品の部品取りできる古時計をさがしてます。 でも、うまく掘り出し物が見つかったときは、天下を取ったように嬉しいものです。 8月4日 仕事はあせらず (No.47) 百貨店等の修理部でお預かりした品物については、本日お預かり品は○月○日仕上がりと表記していますが、 私達のところは決してそうではありません。 おおよそ何日ごろ仕上がりますとは記入していますが、極めていい加減です。 こんな事ではいけないのでしょうが、どうも期日を指定されてしまうと仕事が思うようにはかどりません。 良く、何日に出来ると言ったじゃないかといって、ガンガンなじる人がいらっしゃいますが、 その様な方は、即お返しさせて頂いています。 ゆっくり、気が向くままに、のんびりと仕事をさせて頂きたいからなのです。 責められてあせって仕事をすると、ろくなことになりません。 もうこの年齢になりますと、駆け足はやらなくなりました。 ゆっくり歩くことにしています。仕事においてもそうなりました。 スイスの時計技術者は、ミニッツリピーター級ですと、1ヶのOHに1週間かけてます。 それが本当でしょうね!! 7月28日 時計のリサイクル (No.46) 現在のリサイクル法が施行されるよりずっと前から、自動車業界では同じようなことをやっていました。 レビルトパーツと言うより。解体部品と言って、事故車や廃車より取り外した 使用可能な部品専門に取り扱う業者がいました。 現在では、業者の数は少なくなりましたが、海外に輸出したりして多忙を極めているようです。 さて、時計の場合はどうでしょう。 機械時計の場合は、長期間修理業をやっておりますと、 部品取り専門のいろいろな時計が手元に集まってきます 現在私のところにも、1900年初期からのもので、1000ヶ位部品取り用の時計が集まっています。 コンピュータで整理しているわけではありませんので、必要な部品が出た時は、 山のようになっている時計集団をかき分けて、たった1ヶの部品を探すことになります。 一度でも手にしたことがある時計は、何故か不思議に覚えていますので、 何時間かかっても探し出して使うことにしてます。それも又楽しいものです。 7月21日 最近の時計生産 (No.45) 廉価品のクォーツ時計が、たまたま保証期間中に止まってしまうとしましょう。 メーカーのサービスでは、その時計は修理せず、新品交換してお客様にお届けしています。 止まった時計は、その止まった原因にもよりますが、まず100%交換になります。 お客の手元に残るのは、ケース、バンド、文字板ぐらいになると思います。 ムーブメントは、5秒〜10秒に1ヶ生産されている品物ですから、 バラバラにして修理するより、はるかに早いわけです。 最近は、自動車業界にもこの様な傾向が表れ、エンジン、ミッション、デフ、その他 レビルトパーツに交換されて、早く修理が上がるよう工夫されているようです。 7月14日 時計の価格 (No.44) クォーツ時計に使用する電池は、何ヶ所かのメーカーで生産しています。 夫々特徴があり、良し悪しは決められませんが、一応名の通っているメーカーの品でしたら、 ほぼ間違いなく使用に耐えられると思います。 必ずしもメーカー指定の電池にこだわることはないと思います。 今、100円ショップで時計が買える時代になりましたね。 100円ショップで売られている時計は、当然の事ながら仕入れ価格があるわけです。 その前にはメーカーがあり、そのメーカーは利益を上げて販売していることになります。 100円のドリンク剤が6円とか7円の生産原価と言われている現在、 100円の時計の製造原価は一体いくらなのでしょうね? 恐ろしい世の中になってきました。電池取替えに1000円も支払うのでしたら、 100円ショップで新品の時計が10ヶ買えることになります。 7月7日 モニター電池とは (No.43) 電池の話が続きます。 店頭に並んでいる時計で、電池式のものは、殆どが動いています。 しかし、これらは時計メーカーの工場から出荷された時に組み込まれていた電池で動いているわけです。 工場出荷から、小売店の店頭に並び、ユーザーの手に渡るまで何日かかかります。 中には、何ヶ月、何年というのもあるでしょう。 9999年目の亀の話でもありませんが、購入して数日で止まることもままあるようです。 メーカーではこれをモニター電池と言っています。 この出荷時に組み込まれている電池は、保証の対象になっていないところが多い様ですが、 電池交換1回分は無料と言うお店もあるようですので、 購入時にお店の人に良く聞いておくことも大切です。 トラブルのもとにならない様注意したいものです。 6月23日 電池交換のトラブルA (No.42) Cについてお答えしましょう。一般には、電池替えのみと言うことでお預かりしても、 パッキングも替えなければいけないということがまま出てきます。 本来ですと、電池替え作業はパッキング替の作業も含まれるのです。 電池替えと同時に、パッキングを替える事はむしろ良心的と言えるでしょう。 カリカリしないで、きちんと支払いをした方が良いと思います。 Dクォーツ時計でも、運針部分はメカ式です。 メカ式であれば、3年〜5年に一度はOHが必要です。 電池だけ入れ替えて使用していても、3回に一度はOHが必要です。 クォーツでも、電池だけでは動き続けてくれません。 デジタル時計でしたら、電池交換のみでOKです。 Eこれは、電池取り替えの作業の途中のトラブルでこうなったと考えられます。 時計店側のトラブルです。どうしてそうなったかを、おとなしく聞くと良いでしょう。 時計店では自分で壊したとは絶対に言いませんから、それなりの理由だけは聞いておきましょう。 自分の時計については、経歴を良く覚えておいて、いつOHしたか、何回電池を替えたか位は 頭の中に入れておいてください。 トラブルに対処するのに大切なことです。 6月16日 電池交換のトラブル (No.41) 今回は、電池交換時のトラブルについて重ねてお話してみます。 @電池を替えたら数日後に止まった。 A電池を替えても動かないと言われた。 B電池替えで時計ケースにキズを付けられた。 C電池だけ替える様頼んだのに、パッキンも替える様言われた。 D電池替えとOHをしなければ無理と言われた。(電池だけでは動かない) Eすぐできると思ったら何日も預かられてしまった。 6項目は、思いつくまま記しましたが、まだまだあると思います。 今回は@〜Bについてお答えいたします。 @は、時計ケースを開ける時に、ゴミや異物が混入し、その為に止まった。 又は、他の原因、メカ部分の油異常で止まったものを、電池と間違えて取替えてしまった。 当然止まる運命にあったということです。 Aこれは大変難しいところです。OHの時期がきていたもの。 もう一件は、お店の技術者が間違って回路やコイルをキズ付けてしまい、 何故動かないかを見極めることができず動かないという。 これは、回路やコイルの交換が必要になります。 B結構多いトラブルです。然るべき専門店では見られないトラブルですが、 専門店以外で良く聞くトラブルです。 研磨、再メッキ等で補修できます。 次回は、C〜Eについてのお話です。 6月9日 時計電池 (No.40) 一部の輸入時計と国産メーカーでは、クォーツ時計に関してメーカー指定の電池使用するように 販売店に対して申し入れをしています。 では、指定の高価な電池でないと時計は動かないのでしょうか?そうではありませんね。 ソニーのラジオにパナソニックの電池を入れても良く聞こえます。 家電メーカーでは、電池の指定制度はとっていません。 どうして時計だけそうなのか、私にはわかりません。 或る輸入ディーラーでは、正規輸入品以外の電池交換に1万円もかかるところがあると聞いています。 時計電池は、粗悪品を除いては全く同等レベルで、名の知れたメーカー品であれば 特に問題になることはないと思います。 メーカー指定の電池でも、提携している会社や子会社に作らせている所が多いようです。 そして、その会社では他のウォッチメーカーの指定電池も製造しているわけですから、 指定とか純正とは一体なんなのかと疑問が残ってしまいます。 一番大切なことは、メンテナンスの技術レベルと作業能力ということになるでしょう。 6月2日 時計の電池交換 (No.39) 今回は時計電池のお話です。 何年か前までは、時計電池の交換には3,000円位かかりました。 しかし、最近の諸物価の価格破壊でどんどん安くなりました。 カメラ店、クリーニング店、玩具店、キヨスク等でも電池交換を受け付けています。 夫々の店でも、それなりに技術者が担当していることと思いますが、 先日こんなことがありました。 某スーパーで電池交換をしたオーデマ・ピゲのロイヤルオークが、 トラブルで私のところに持ち込まれました。 ケースの止めネジの締め方が間違っていて、とんでもないことになっているのです。 すぐ元に戻して無事事なきを得ましたが、一応そのお店にも手紙で丁寧に 事の成り行きを説明してお知らせしておきました。 特に高級品に関しては、しかるべき専門店で交換したほうが良さそうです。 300円、500円、700円で電池交換といろいろあり、電池のメーカーにも依ると思いますが、 東南アジアで製造された粗悪電池もありますので注意したいところです。 次回はメーカー指定の電池についてのお話です。 5月26日 初期の防水時計 (No.38) 1950年〜55年頃にかけて一般に市場に出ていた、"WATER PROOF"と文字板に書いてある 品物に関しては、細かい規則もありませんでしたし、取り決めもありませんでした。 ですから、その時代のWATER PROOF WATCHについては、単なるネジ蓋式の時計で、 竜頭には申し訳程度のパッキンが入っているだけのものでした。 もちろん入荷前の防水テストなんかは全くやっていませんでしたから、 お粗末極まりないものだったようです。 60年代後半になってから少しづつうるさくなってきて、本格的なダイバーズウォッチが 巷に出てきました。それでも我が国では本格的ダイバー用のケースを製作できなくて、 欧州から輸入してそれに自社製のムーブメントを組み込んで販売していました。 最近は生活防水ケースがあたりまえになっていますが、当時はまだまだ一般的でなくて、 本格的防水時計は数が少なく、一部ダイバーやサーファー達に愛用されているだけでした。 5月20日 時計の防水 (No.37) 夏が近づいてきましたね。防水時計やダイバーズウォッチが活躍する時期になってきました。 自分の時計は○○メートル防水だから絶対大丈夫なんて云わないで下さい。 メーカーから新品で出荷されてせいぜい1年間だけのことです。 防水に関して1年の保証があれば、安心して1年間は使えます。 それでも水の中で勢い良く動かしたり、風呂に入ったりは駄目です。 勢い良く動かすと、瞬間には強い圧力がかかりますから、保証耐圧を超えることもあるわけです。 水に潜ることを職業にしている場合は、特にメーカーのサービスを受けて、 耐圧試験を受けた時計をお使いになることをおすすめします。 アマチュアで趣味で水に潜ることをしている方でも、しかるべきサービスを受けたものを使いましょう。 クォーツ式でも、バッテリーを交換した時には必ずパッキンも交換しましょう。 一寸費用がかかりますが大切なことです。ケチケチしないことが重要なポイントですよ!!。 話は変わりますが、TV東京の「開運なんでも鑑定団」に素人目利きとして出演することになりました。 置時計がテーマで、私としては是非とも全問正解したいものです。 結果は番組をご覧になってからのお楽しみとしましょう。 放送は5月29日の午後9時からです。是非ご覧になってください。 5月12日 リダンについて (No.36) 街行く美しい女性に見とれている貴方がたに!! 時計で言うところのリダンかも知れませんね!!騙されないようにしましょう。 最近は"あゆメーク"が流行っているので、向こうから歩いてくる若い女性は、 みんな浜崎あゆみLOOKですね。どうなちゃっているんでしょう。 ひところガングロでしたが、今は一人もいなくなりました。 原宿、渋谷でもまずお目にかかることはなくなりましたね。 リダンですからしっかり見極めてください。 スイスのとある一流のメーカーの品で、リダン文字板が出回っています。 アメリカで製造されたものが多いと聞いていますが、大変に良くできていて 専門家でも見分けがつきません。 日本の代理店では拒否していますが、この話を自動車に置き換えてみましょう。 ベンツ、BMW等を自分の好みの色に塗り替えて乗っている人は結構多いです。 ベンツ、BMWのディーラーが、これはリダンだから修理などできません、と言うでしょうか? 時計も同じでしょう。個人の好みで赤や黄色に変えて使用しているのですから、 これをいきなりイミテーションと決め付けるのは、如何なものかと思います。 変な世の中になってしまいましたね。 |
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