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4月28日 時計のリフォームについて
(No.35) 今回は、時計のリフォームについてお話しましょう。 ひと昔前までは、”再生”という日本語を使っていましたが、 何時の間にか”リダン”、”リフォーム”という言葉が使われるようになりました。 これは中古時計がアンティークウォッチに変わった時と殆ど同時期です。 古道具屋がアンティークショップですからね。 落語の演題に、古道具屋の旦那さんは出てきますが、アンティークショップの店主は出てきませんね。 前置きが長くなりましたが、昨今は物を大切にするということから、 又はあらためて古いものを見直す、昔の品物は長持ちすると言ったことから、 長期間世話になった想い出の物をリフォームすることが多くなりました。 家のリフォーム、洋服のリフォームについても良く話を聞いています。 時計の話になりますが、時計では汚れて見にくくなった文字板 (業界では文字盤とは言わないことが多く、昔の職人はモジイタと言っていた。) をリダン(再生)することがあります。 この作業も、ウォッチメーカーの直属工場で行う場合と、町工場でする場合があります。 町工場でも、メーカー直属工場出身の方が経営しているところもあり、 仕上がりは上手で大工場の仕上がりと区別がつきません。 リダンを嫌う人がいますが、家や洋服のリフォームと同じく差別することは無いと思います。 特にアンティークウォッチではオリジナルにこだわる人が多いようですが、 オリジナルもそれなりに良さはありますが、リダンはリダンなりに趣があると思います。 街行く女性のメイクに見惚れることもあるのですからね!! 次回更新はGWの為、5/12になります。では又。 4月21日 想い出のある時計2 (No.34) これは私の父が使っていた時計です。セメントの職人だったので、 時計にセメントが沢山ついていますが、落とさないでそのままにして、 中の機械だけ動くようにしてください。と言って修理をお預かりしました。 ケースの回りや風防ガラスは、セメントがこびりついていました。 しかし、これはお持ちになった方のお父様の息吹がそのまま伝わってくるような 姿そのものだったのでしょうね。 この時計を見る度にお父様を想い出していらした事思います。 又、二輪の事故で時計に大きなキズを付けた方が修理に持ってきましたが、 その方もこのキズはそのままにして中だけ動くようにしてください、 とおっしゃいました。これもその時の事故を一生忘れたくないという 想い入れがあったのでしょうね。 皆さん古い時計には、夫々想い出が沢山重なっていることと思います。 特に機械式時計(1970年以前)にはどなたでも何かを持っていらっしゃる事でしょう。 もう一度良く考えて、机の中から見つけ出し、修理をして使ってみませんか? コチコチという刻音は、聞く人持つ人の心を柔らげてくれます。 4月14日 想い出のある時計 (No.33) 時計の業界の仲間入りして50年になります。修理でお預かりする品物の中には、 いろいろな想い入れのあるものが沢山あります。 ワールドフォトプレス社発行の"MEMO 男の部屋"という雑誌がありますが、 その中に"修理に来た想い出の時計の謎"というタイトルで一寸したエッセイを書いています。 古い時計を修理にお持ちになる方は、必ずと言って良い程その時計に対して 何かの想い入れがあるようです。 キオスクで買った1,000円のクォーツには想い入れはないと思いますが、 家に永くあった物、祖父・祖母が使っていたもの、結婚記念に夫々の相手方から頂いたもの、 中学の入学記念に父から買ってもらったもの、ヨーロッパ旅行の記念にパリの アンティークショップで買ったもの等々いろいろな想い出があるはずです。 ですから、その様な想い出のある時計は、大切にきちんと修理して使いたいものです。 4月7日 修理の限界2 (No.32) 時計の修理は、現状復帰が原則です。しかし、時代の新しいもので、 落としたり水につけたりした物以外は、殆どその通りになりますが、 30年も50年も昔のものですと、必ずしもそうはいきません。 まして、100年も経っているものは、特に現状復帰は難しいようです。 各歯車の軸受けの磨耗、軸真(ホゾ)の磨耗、天真(テンプの真棒)の磨耗・形状不備、 ヒゲゼンマイの形状不備、中具合(コチコチという音の左右のバランス)の不備。 他に原因はまだまだありますが、これらを時代を遡って元に戻すことは絶対に無理でしょう。 すべての部品を新品に換えればよいでしょうが、それは無理と言うものです。 ですから古い時計の修理に関しては、ある程度の妥協が必要になります。 汚れ、サビ、キズ、シミ、変色、時間の正確さ、精度の乱れ、操作上のガタツキ、 これらについてパーフェクトな要求をすることは所詮無理と言うことです。 3月24日 修理の限界 (No.31) 今日は修理の限界についてお話してみようと思います。 私のところに持ち込まれる修理時計は、殆どと言ってよい位時代物が多いです。 そこで80年も100年も経過しているものに、どれだけのこだわりを持つかが 問題になることがあります。 特に精度については、クォーツの精度に慣れている人は、1日10秒差がでても 時間が合わなくて困ると再修理を要求してくることがあります。 又、翌日には止まってしまうと電話がくるので、”ゼンマイをきちんと巻きましたか?” と聞き返すと、”ゼンマイはどうやって巻くのですか?毎日巻かないと止まるのですか?” と答えが返ってきます。 30年以上クォーツの時代が続いていますので、止むを得ないと思いますが、 困ったものですね。 70歳、80歳のお年寄りに、20歳の若者と同じ動作を要求しても所詮無理というものです。 時計においても全く同じですから心してください。 3月17日 修理部品について (No.30) 私のところに持ち込まれる修理品に関しては、殆どの方が他店に持っていったらば 部品がないので修理ができないと言って断られたとおっしゃっています。 最初から止まっていて壊れた時計を買い求めた品でしたらそんなことあると思いますが、 昔から自分で使っていたものや、我が家に古くからあったという時計であれば、 まずなんとか直るということです。 踏み潰したり、子供が中をつついていじり壊した物以外は、必ずと言っていいくらい修復が可能です。 又、部品を作る技術も発達してきていますから安心です。 極く新しい時代でエンプラを部品材質にしているもので、 部品の供給が終わっている型番に対しては付加となることがあります。 我が国では、その時計の型番が製造中止になってから8年間は部品供給が義務付けられていますが、 その後は廃番扱いになり、部品供給がなくなります。 私たちも、部品取り専用として沢山の古い時計を在庫していますが、それとて限りがあり、 困ることが間々あります。 3月10日 機械式時計[解体新書] (No.29) 機械式時計[解体新書]についてちょぴり宣伝させてください。 大泉書店(TEL:03-3260-4001,FAX:03-3260-4074)から発売になっています。 今までも数多くの時計に関する本が発行されていますが、 一寸ユニークな内容になっていることは事実です。 時計の歩んできた道、時計はどの様に時を刻むのか。時計が備えているポテンシャル。 機械式時計の有用な機能、複雑機能。精緻絢爛たる意匠。時計師の仕事場から。 等等30項目に分けて解説しています。 又、外国の有名メーカー、製品は沢山の美しい写真とともに掲載。 併せて特別に磯貝吉秀、山口幸徳、二氏へのインタビューも収録しました。 時計に興味をお持ちの方、是非お読み下さいますようお薦めいたします。 これ一冊で時計博士になれますよ!! 2月24日 世界の腕時計博 (No.28) お陰様をもちまして、世界の腕時計博(銀座松坂屋)も21日で無事終了しました。 特別展示のロードマーベルスペシャルは大好評で、マスコミの取材も多方面からあって 大きな話題になりました。 松本零士先生の2001年新作も人気の的で、大勢の方に喜ばれました。 又、会期中の時計無料相談コーナーにも沢山の方がお見えになり、 あちこちで断られてお困りの思い出の時計の修理をお受けしました。 大泉書店から、"機械式時計解体新書"という本が発売になりました。 私めが監修をさせていただきましたが、すごく勉強になり幅広く時計のことが解る面白い本です。 是非お読みください。1600円です。 2月10日 グランドセイコーとロードマーベル (No.27) 現在アンティークウォッチの市場では、初期型のグランドセイコーが人気が高く、 極上品ですと40万円以上しています。 この初期型のグランドセイコーは、マーベルから進化したクラウン(12型)がベースになっています。 安定していたマーベルがベースになって開発されたクラウンですから、更に高度化していました。 それを更にグレードアップしたのがグランドセイコーです。 その中間にあったのが、自動車で言えばセミデラックスとでも言いましょうか、 ロードマーベルであったわけです。 一寸技術のある方か、技術勉強中の方でしたらロードマーベルを研究して、 グランドセイコークラスにチューニングアップすることは容易なはずです。 世界の腕時計博で参考展示されるマイクロアーティスト工房チューニングのロードマーベルにご期待ください。 日本でもこんな時計ができるのだということが良く解ることでしょう。 又同時に、松本零士のメーテル、アルカディア等の新作品が腕時計になりました。 同時に発表します。お楽しみに。 1月29日 世界の腕時計博 (No.26) 2月15日から21日まで、東京・銀座の松坂屋百貨店で、世界の腕時計博が開催されます。 今回で第10回目ですが、度を重ねる毎に充実していくようです。 今回は、ゴールドウォッチ大会で、金がメーンテーマになっています。 又初参加の大手企業もあり、内容は面白そうです。是非いらしてみてください。 会期中、時計クリニックとして皆様の時計に関する御相談を承っています。 又、皆様一人一人のオリジナル時計の作成も致します。 子供さん、お孫さん、ペットの犬や猫の写真などお持ちくだされば、 それを文字板にあしらってリストウォッチを作ります。 出来上がりまでに2週間ほどかかりますが、自分だけのオリジナルリストウォッチが できるコーナーをお楽しみください。 又、セイコーマイクロアーティスト工房で特別チューニングアップしたロードマーベル (時価200万円)を特別展示する予定です。一見の価値有りです。 |
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