19セイコー物語

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 この時計は、第二精工舎亀戸工場(現S11)で製造し、国鉄(現JR)に納入して、駅長、助役、車掌、運転手等に使用されていたものです。
SECOND-SETTING DIAFLEXと記してあるものについては、竜頭を引き出した状態にしておきますと、秒針が0秒の位置で止まり、押し込むと駆動します。時報に合わせる時使用する装置です。DIAFLEXとは、セイコーが開発した切れにくい特殊なゼンマイを組み込んでありますという表示です。
 19セイコーは、昭和4年4月に服部時計店から、当時の価格で14円50銭で発売されたものです。7石・瀬戸文字板でした。第二次世界大戦の時は軍用時計に指定されて、一般民間人は手にすることができませんでした。戦車のダッシュボードや、零戦のコクピットに取り付けられて、大地を駆け回ったり、大空を飛んでいました。
 1945年、戦争が終結した時、精工舎の工場は群馬県桐生と富山に疎開していましたが、 残っていたパーツを組立て て、鉄道用として復活したわけです。昭和4年に発売された当時のものから比較しますと、大幅に改良されて、原形は昔のままで部品の寸法も全く同じですが、材質の改善で精度も大変良くなっています。
 マニアの方は、ケースのちょっとした改良や、文字板に示されている文字の形状など、わずかな変化を速やかに感じとりすべてをコレクションしているようです。その変化を内外共に追っていきますと、20ヶ〜30ヶ位集めねばなりません。大変ですね。
 19セイコーは、セイコーが世界に誇れる名器です。


[19セイコーの分解写真]

      本間 誠二 記